保育実習の一番のハードルは「日誌」ではないでしょうか?保育実習日誌を楽しみにしている人はなかなかいないでしょう。
この記事では、保育実習日誌の書き方について分かりやすく解説します。
この記事を読めば、
- なぜ保育実習日誌を書かないといけないの?
- 文章が思い浮かばない…助けて
- 日誌で気をつけなきゃいけないことはある?
- スムーズに早く書くコツを教えて
という疑問・悩みが解消されますよ!
まず前提として、
・体調を整えて
・必要な物を準備し
・向上心を持って
実習に臨んでもらえたらと思います。
※目次から、知りたい項目に飛んで読んでもらってOKです!
はじめに伝えたいこと
私はとても要領が悪く、コミュニケーションが下手な人でした。保育士になってからも自信が持てず、「保育士に向いていないな」と思っていました。
でも、「今、自分にできることをしよう」「子どもを好きな気持ちは持ち続けよう」「少しずつ、知識とスキルを増やしていこう」という気持ちは頭の片隅に置いておくようにしました。
すると、いつの間にか「保育士に向いてない」と思うことはなくなりました。今では前向きに保育の仕事ができています。
それでも、日々学ぶことはたくさん!
なので、実習で全てを学ぶことは不可能なんです。完璧な日誌を書くことなんてできなくて当たり前です。
私は、できなくて当たり前だからこそ、たくさん悩んで考えてほしいなと思います。
そして、あなたが今できる最善を尽くせるように、応援しています。
この記事で、保育実習日誌の全容を復習し、乗り越えましょう!
※本記事では、実習日誌の表記に合わせ、
「保育士」という言葉を「保育者」と表現しています。
実習日誌では「保育者」という表現が使われることが多いためです。
保育実習日誌を書く目的
①実際に手で書き、一日を振り返ることで、記憶に残る
一日のできごとを、その日のうちに振り返ることで、記憶に残りやすいです。また、“手を動かす”ことで脳が活性化し、思考の整理にも繋がります。
最初は特に、思い出すのに時間がかかり、記憶もあやふやだと思います。しかし「思い出そう」とする作業をすることで、翌日の実習で流れを思い出しやすくなり、積極的に動きやすくなりますよ。
②日誌があるから実習中に子どもや保育者、環境をよく見ようと意識して臨める
日誌を書くためには「観察」し、「実践」しなければいけません。
「子どもたちは何をしているかな」
「保育者はどうやって子どもに片付けを促しているかな」
「動線(子どもたちがスムーズに動ける流れ)はどんな工夫があるかな」
など、日誌を書くからこそよく見ようと思えるのです。日誌がなかったら、ただ「楽しかった」「勉強になった」と漠然とした感想で終わってしまいます。
③実習担当の保育者から指導を受けやすくなる
実習担当の保育者は、実習生のことをよく見ています。
しかし、常に実習生のことだけを気にかけることはできません。
日誌を通して、実習生が何を学んだか、間違った解釈をしていないかを把握してもらいやすくなります。結果として、具体的な指導や修正をもらいやすくなります。
④学校側が実習生を評価する材料となる
保育実習も単位の一つであり、学校側は他の科目と同じように実習の評価をしなければなりません。
日誌は、学校側が「この学生はよく学び、有意義な実習になったんだな」と評価する手がかりとなります。
保育実習日誌の書き方|項目ごとのポイントと文例
項目ごとに、書き方とポイントを文例付きで解説します。
ここでは、一般的によく使われる様式を参考にしています。
ここでの項目↓
①基本事項
②目標・ねらい
③時間
④環境
⑤子どもの活動
⑥保育者の動き・配慮
⑦実習生の動きと気づき
⑧感想・考察・反省
①基本事項
- 日付
- 天気
- 年齢・クラス名・出欠人数
- 担任名
- 保育のねらい
- 主な活動
「出欠人数」は男女別で書く場合もあるので、分からなければ担当の保育者に尋ねます。
「保育のねらい」、「主な活動」は、ここでは実習するクラスの保育者が考えた、その日のねらいと活動のことです。前日、または当日の朝に聞いておくと良いですね。タイミングが難しければ、昼寝の時間に必ず聞いておきましょう。
例えば「日誌に記入したいのですが、今日の活動内容とねらいを教えていただいても良いですか?」というように尋ねてみてください。
②目標・ねらい
先ほどの「基本事項」に出てきた保育のねらいは、実習するクラスの保育者に確認する項目でした。
ここでは、実習をするあなた自身の目標・ねらいを書きます。
【書き方】
- 学びたいこと・知りたいこと・実習で力を入れたいこと
- 具体的に書く
【ポイント】
- 最初に使いやすい文章表現:「〜を知る」、「〜を学ぶ」、「〜を理解する」、「〜を把握する」など
- 実習後半や2回目以降の実習で使いやすい文章表現:「〜するようにする」、「〜を心がける」、「〜を意識する」など
慣れてきたら、「自分の行動」につなげましょう。また、子どもにどんな成長を望むのか?も考えられると、より良いですね。
【文例】
■一日の流れを知りたいとき
- 一日の保育の流れを把握する
- ◯歳児の生活の流れを知る
- 登園から公園までの一日の流れを知る
■子どもを理解したいとき
- 乳児の発達段階を理解する
- 異年齢同士の関わり方を学ぶ
■保育者を理解したいとき
- 食事の援助の仕方を学ぶ
- 遊びの誘い方や広げ方を学ぶ
■環境を理解したいとき
- 玩具の種類やコーナーの配置の工夫を知る。
■慣れてきたら自分の行動に繋げる
- 信頼関係が築けるよう、子どもに寄り添った言葉かけを意識する。
- 子どものペースに合わせて食事の介助ができるように心がける。
■子どもにどんな成長を望むのか?
※学校や実習先によって、子どもの成長を促す目標を書くよう指導される場合があります。その際は参考にしてくださいね。
- 手洗いを自分でやってみようと思えるような言葉かけを意識する。
- 子ども同士でごっこ遊びが楽しめるような関わりを意識する。
③時間
活動の区切りごとに時間を記入します。
大体毎日同じ流れで生活していることがわかってきますよ。
時計を見るクセをつけるのも大切です。
④環境構成
活動・場面が変わるごとに環境も変わるので、チェックし、記録します。
「図」と「言葉」で書きましょう。
【書き方】
①まずは事実を書く
おもちゃの数、おもちゃの種類、机や棚の配置、コーナー保育の設定、保育者・子どもの配置、活動で使う準備物など
②意図を考える
【ポイント】
「環境が子どもを育てる」と言っても過言ではないくらい、環境はとても大切です。
私は実習をしていた頃、最後に見た自由保育の園で環境の大切さに気づきました。それまでは、「子どもの活動」や「保育者の援助」に目が行きがちでした。
現役で働いている今でも、「環境」をとても重視しています。ぜひ環境に目を向けてみてください。
【文例】
- 朝の準備を自分でやりやすいように、机とカゴを並べている。
- アレルギーがある子どもの机には印をつけている。
⑤子どもの活動
子どもが行った活動を記録します。事実を書きましょう。
【書き方】
- 大きな活動と小さな活動に分けて書く
- 一人ひとりの様子を具体的に書く
【ポイント】
子どもの個人名は出さず、イニシャルで書きましょう。
または、「〜している子どももいる」という書き方もできます。
【文例】
(大きな活動=「◯」、小さな活動=「・」で書くとする)
◯朝の会
- 椅子に座る
- 朝の歌を歌う
- 朝のあいさつをする
- 名前を呼ばれたら返事をする
- 今日の活動についての話を聞く
- Aちゃんは朝の会の途中で登園し、室内に入ることを嫌がっていたが、担当の保育者が声をかけると入室できた。その際、他の子どもは座って待つことができていた。
⑥保育者の動き・配慮
保育者の行動や言葉かけを記入します。
文例は【文例∶事実のみ】と、【文例∶目的+事実】を用意したので、見比べてみてください。
【書き方】
- 事実だけでなく、行動や言葉かけの目的・意図も書くとなお良いです。
- 全体への対応だけでなく、個別への対応も書くと、学びが深まります。
【ポイント】
- 言葉かけは具体的に「 」を使って書くと、振り返りに役立ちます。
【文例△∶事実のみ】
①子どもと保護者に笑顔であいさつをする。(←事実)
②おもちゃの片付けを嫌がる子どもには、「パズルが完成したらおやつを食べようね」と促す。(←事実)
↓ これでも悪くないけど、目的を加えると…
【文例◎∶目的+事実】
①一日を気持ちよく始められるよう(←目的)、子どもと保護者に笑顔で挨拶する。(←事実)
②-1 おもちゃの片付けを嫌がる子どもには、満足感を得られるよう(←目的)パズルが完成するまで待っていた。(←事実)
②-2 おもちゃの片付けを嫌がる子どもには、見通しが持てるよう(←目的)「パズルが完成したらおやつを食べようね」と促す。(←事実)
⑦実習生の動きと気づき
自分の動きや言葉かけを記入します。
文例は【文例∶事実のみ】と、【文例∶目的+事実】と、【目的+事実+気づき】を用意したので、見比べてみてください。
※まずは「事実」をしっかり把握し、記入できることを目標にしましょう!
「目的」「気づき」は少しずつ言語化できるようになったら良いですね
【書き方】
- 「実習生の動き」の視点では、上記の「保育者の動き・配慮」と同じように、事実だけでなく目的も合わせて書けると良いです。
- 「実習生の気づき」の視点では、「子どもの活動」、「環境」、「保育者の動き・配慮」、そして「実習生の経験」から、学びになったこと、気づいたこと、感じたことなどを記入します。
- 文末は「~だと思った」、「~だと気づかされた」、「~だと感じた」、「~のようだった」などを参考にすると書きやすいです。
【ポイント】
- 「保育者の動き・配慮」で「目的・意図」も記入しましょうと言いました。この「目的・意図」と「実習生の気づき」が混合される場合があります。「実習生の気づき」では、実習生が主語となり、「自分だったらどう関わるか」、「その関わりから何を学んだか」を書くようにします。
- 「要点を簡潔に書きましょう」と指示される場合もあります。文章が長くなりそうなときは、最後の「感想・反省・考察」に記入するのも良いです。
【文例△∶事実のみ】
・おもちゃの片付けの時間に、「片付けておやつを食べに行こう」と言葉かけをする。(←事実)
↓ これでも悪くないけど、目的を加えると…
【文例○∶目的+事実】
・おもちゃの片付けの時間に、見通しが持てるよう(←目的)「片付けておやつを食べに行こう」と言葉かけをする。(←事実)
↓ 気づきを加えると、さらに良くなる…!
【文例◎∶目的+事実+気づき】
・おもちゃの片付けの時間に、見通しが持てるよう(←目的)「片付けておやつを食べに行こう」と言葉かけをするが、なかなか片付けられない子どもがいた。保育者が「パズルが完成したらおやつを食べに行こうね」と言葉かけした後、パズルを完成させると自分から片付けておやつの場所に移動していた。(←事実)気持ちを受け止め待つことで、子どもが満足感を得られ、次の活動にスムーズに移ることができると気づいた。(←気づき)
⑧感想・考察・反省
その日一日の「感想」「考察」「反省」を記入します。
項目名は「一日の反省」「評価・反省」など、学校や園によって様々ですが、ただの感想で終わらないように気をつけてください。
保育実習日誌を書くときに気をつけるポイント
①正しい日本語で書く
保育実習日誌は公式な文書です。基本的な文章のルールを守って書きましょう。現場に出た際に、日誌やカリキュラムなどの記録にも応用できますよ。
語尾を統一する
文章の語尾を「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかで揃えます。
一般的には、「感想・考察・反省」は「です・ます調」、他の項目は「だ・である調」で書く場合が多いようです。
ら抜き言葉・い抜き言葉を使わない
【例】
○励まされて食べられる。
×励まされて食べれる。
○片付けが終わるまで待っていると、~
×片付けが終わるまで待ってると、~
書き言葉で書く(しゃべり言葉(話し言葉)は使わない)
【例】
○書き言葉:だが、しかし、けれども
×しゃべり言葉:でも/だけど
○書き言葉:きちんと
×しゃべり言葉:ちゃんと
「~たり」は2回続けて使う
【例】
○絵を描いたり、折り紙をしたりして、楽しそうだった。
×絵を描いたりして楽しそうだった。
②誤字・脱字がないか確認
保育実習日誌を書き終えたら、提出する前に必ず誤字脱字のチェックをします。
これは日誌に限らず、レポートや感想文、現場でのおたよりや連絡帳、カリキュラムなどの書類全般において、必ずやらなければいけないことです。間違いがないかの確認は、習慣にしておくと良いですね。
③保育用語を使う
保育では、専門用語が存在します。園によるものもありますが、基本的な専門用語はチェックしておきましょう。
【例】
○排泄・排尿・排便(普通便・軟便)
×おしっこ・うんち
○促す・援助する・関わる
×~させる
○保育士・保育者
×先生
○保育室
×教室
○園庭
×運動場・お庭
○登園・降園
×登校・下校
④返却された日誌の訂正箇所・担当の保育者からのコメントを必ず反映させる
日誌が返却されたら、日誌の訂正箇所と担当保育者からのコメントを必ず確認します。指摘されたことは何度も繰り返さないよう気を付け、すぐに活かすことが大切です。実習での学びがより深まりますよ。
保育実習日誌をスムーズに書くコツ
①メモをこまめにとる
1日の流れを全て記憶するのは不可能です。必ずメモを取りましょう。
ただし、実習先の園によっては、メモを禁止しているところもあります。オリエンテーションや実習当日の朝などに、「メモを取ってもいいですか?」と確認しましょう。
②休憩中を活用する
本来、休憩中はしっかり休憩を取ってほしいのですが、帰宅後に日誌を書くと、疲れて頭が回りません。そのため、休憩の間に、午前中にあったできごとを思い出してメモをしたり、日誌の下書きを書いたりすることをおすすめします。夜の自分を助けると思って頑張ってください。
③忘れないうちに「とにかくすぐ」書く
帰宅後ほっとして、ついテレビやスマホをみたり、ゆっくり食事をとったりしてしまいます。しかし、人の記憶は1分1秒とどんどんなくなっていきます。
忘れないうちに、「帰ってからすぐ書く!」を徹底しましょう。
④保育者に質問をする
昼や実習終了後、クラスの担当保育者に、分からないことや疑問に思ったことをぜひ質問してください。日誌に気づきや考察を書きやすくなります。
また、質問することで「積極的だな」「一生懸命取り組んでいるな」という印象も持たれやすくなりますよ。
質問は丸投げではなく、ある程度自分で考えた上で尋ねると、学びも深まります。
【例】
(質問の導入)お忙しいところすみません。質問したいことがあるのですが、今お時間大丈夫でしょうか?
(質問)今日○○ちゃんに食事の介助を嫌がられたのですが、食事を食べるスピードも遅く、どのような関わりをしたら良いか悩みました。励ます言葉かけは時々するようにしましたが、どのような対応をしたら良かったのでしょうか。
(終わりに)わかりました。次はやってみます。ありがとうございました。
まとめ
保育実習日誌の基本的な書き方を解説しました。
少しでも日誌をスムーズに書き終え、その分しっかり睡眠を取り、集中して実習に取り組んでほしいと思っています。
しかし、日誌はいきなり完璧に書けるようになるものではありません。
私自身、保育士になって現場での経験を積み、5年程経ってやっと書類が少しスムーズに書けるようになったなと実感しました。
実際の保育現場を把握してスキルアップすることと、それを言語化することが比例して、少しずつ上達していったように感じています。
今はネットでも、書き方や文例を検索するとたくさん出てきます。
文章の引き出しを増やす方法は、たくさんの文章に触れて、真似をして書くこと。諦めずに、とにかく最後まで日誌を書いて、スキルアップを目指しましょう。
完璧でなくても大丈夫です。
一生懸命取り組む姿勢が、きっと実になりますよ!
応援しています!

