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保育実習を控えて、このような不安を感じている学生さんもいるのではないでしょうか。
私自身、学生時代は実習日誌を書くのが苦手でした。
学校で習った書き方や例文を参考にしていたものの、いざ書こうとすると文章が出てこない。何を書けばいいのかわからず、かなり時間がかかっていました。
また、学校で習った通りに書いても、実習先で訂正されることがありました。そこで、園によって日誌の書き方や求められる内容に違いがあることを知りました。
今振り返ると、文章の書き方だけでなく、実習中に何を見て、何を学べばよいのかという視点も十分にわかっていなかったのだと思います。
当時の私は、実習日誌の参考書を購入していませんでした。
でも、今になってこのような本を読むと、「学生時代にこんな本が欲しかったなぁ」と思います。
今回は、現役保育士として10年以上働いてきた私が、実際に読んだ保育実習日誌の参考書を2冊紹介します。
それぞれの特徴や良かった点、少し気になった点も含めて比較しました。
これから保育実習を迎える学生さんの、本選びの参考になればうれしいです。
保育実習日誌の書き方の基本を書いた記事はこちらです。良かったら参考にしてください▼
保育実習日誌におすすめの本2冊を比較!

今回紹介するのは、次の2冊です。
- 『0~5歳児年齢別 実習の日誌と指導案 完全サポート』(新星出版社)
- 『改訂版 実習日誌の書き方 ~幼稚園・保育所・施設実習完全対応~』(一藝社)
どちらも実習日誌を書く際の参考になる本ですが、内容の特徴が異なります。
まずは、2冊の違いを比較してみましょう。
| 比較項目 | ① 完全サポート | ② 実習日誌の書き方 |
|---|---|---|
| 出版社 | 新星出版社 | 一藝社 |
| 発行年 | 2017年 | 2026年 |
| 主な特徴 | 年齢別の日誌の具体例が豊富 | 日誌の書き方や観察・考察の視点を詳しく解説 |
| 指導案 | 具体例あり | 掲載なし |
| 施設実習 | 乳児院・児童養護施設・障害児入所 | 乳児院・児童養護施設・障害児入所施設(福祉型・医療型)・障害児入所施設(主に知的障害のある児童)・障害児入所施設(主に肢体不自由のある児童)・障害児入所施設(主に重症心身障害児)・障害児支援施設 |
| 気になった点 | 観察したことを考察につなげる方法は、やや学びにくい | 文字が多く、読むのに時間がかかる |
※比較は実際に読んだ内容と私個人の感想をもとにしています。書籍の使いやすさや感じ方には個人差があります。
『0~5歳児年齢別 実習の日誌と指導案 完全サポート』

『0~5歳児年齢別 実習の日誌と指導案 完全サポート』
- 監修:古林ゆり
- 出版社:新星出版社
- 発行:2017年6月5日
年齢別の日誌例が充実。指導案も参考にできる一冊。
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こちらは、0~5歳児の年齢別に、実習日誌の具体例を紹介している本です。
特に、実際にどのような文章を書けばよいのか、具体例を見ながら学びたい人に向いていると感じました。
日誌を初めて書く学生さんにとって、完成した文章のイメージがつかめるのは心強いと思います。
さらに、実習日誌だけでなく指導案の具体例も紹介されているため、指導案についても参考にしたい人にはうれしい内容です。
『改訂版 実習日誌の書き方』

こちらは、実習日誌の基本的な書き方から、観察する視点、記録や考察の深め方まで詳しく解説されている本です。
例えば、次のような内容が紹介されています。
- 実習日誌の様式の種類と特徴
- 実習中に観察するポイント
- 保育者の援助や環境構成の見方
- 記録や考察の書き方
- 実習日誌の具体例
- 文章表現や保育専門用語
- 年齢別・実習の種類別のポイント
「そもそも何を見て、どのように日誌を書けばよいのかわからない」という人に役立つ内容だと感じました。
なお、こちらの本には指導案の具体例は掲載されていません。実習日誌の書き方を中心に学びたい人向けの本です。
①『0~5歳児年齢別 実習の日誌と指導案 完全サポート』の特徴と感想
良かった点|年齢別の日誌例が充実!指導案も参考になる
この本の特に良いと感じたポイントは、次の4つです。
- 年齢別の発達の特徴と保育者の関わり方がわかる
- 日誌のNG例・OK例から書き方を学べる
- 実習日誌や指導案の例が豊富
- 実習前の準備や基本的なマナーも確認できる
1.年齢別の発達の特徴と保育者の関わり方がわかる
保育実習では、担当するクラスによって子どもの発達や生活の様子が異なります。
例えば、
- 0歳児クラス:授乳やおむつ交換、午睡などの生活場面
- 4・5歳児クラス:友達との関わりや集団での活動など
もちろん、どの年齢でも生活や遊びの両方を観察することが大切ですが、年齢によって注目するポイントは変わってきます。
この本では、年齢別の発達の特徴や保育者の関わり方も紹介されています。
子どもの発達について知っておくことで、実習中に何を観察すればよいのか考えるヒントになると思います。
2.日誌のNG例・OK例から書き方を学べる
この本には、実習日誌のNG例・OK例も掲載されています。
良くない書き方と改善した例を比較できるため、文章を書くときに気をつけたいポイントがわかりやすいと感じました。
実習日誌は、ただ一日の出来事を書くだけではありません。
子どもの姿や保育者の援助などを、読み手に伝わるように記録することが大切です。
NG例・OK例を参考にすることで、どのような表現を使えばよいのか、どこを改善すればよいのかを考えるヒントになります。
3.実習日誌や指導案の例が豊富
私が特に良いと思ったのは、実習日誌の具体例が豊富なことです。
年齢に応じた日誌の例文があると、どのようなことを記録すればよいのかイメージしやすくなります。
私自身、学生時代は日誌を書くときに文章がなかなか出てこず、苦労しました。
そんなとき、完成した文章の例が手元にあれば、書き方のイメージをつかむ助けになったのではないかと思います。
また、この本には実習日誌だけでなく、指導案の具体例も掲載されています。
そのため、日誌の書き方を学びながら、指導案の書き方も参考にしたい学生さんにはうれしい内容だと思います。
一方、今回紹介するもう1冊の『改訂版 実習日誌の書き方』には、指導案は掲載されていません。
指導案についても学びたい人は、この違いを確認して選ぶと良いでしょう。
ただし、例文はあくまで参考です。
実際の子どもの姿や保育者の援助は、その日の状況によって異なります。例文をそのまま使うのではなく、実習中に自分が見たことや学んだことをもとに書くことが大切です。
4.実習前の準備や基本的なマナーも確認できる
この本では、実習日誌の書き方だけでなく、実習前の準備や基本的なマナーについて書かれているページもありました。
初めての保育実習では、日誌以外にもわからないことがたくさんあると思います。
実習が始まる前に、準備することや気をつけたいことを確認できるのは、学生さんにとって心強いのではないでしょうか。
ただし、実習先によって決まりや方針が異なることもあります。
本の内容を参考にしながら、養成校や実習先からの指示も必ず確認するようにしましょう。
気になった点|観察したことを考察につなげる視点は少し学びにくい
この本には、実習日誌のNG例・OK例や、年齢別の具体例が豊富に掲載されています。
そのため、文章の書き方や表現を学ぶうえでは、とても参考になると思います。
一方で、実習中に観察した出来事を、どのように考察につなげていくのかという部分は、もう少し詳しい説明が欲しいと感じました。
具体例を参考にすることはできますが、自分で観察し、そこから考察を深めていくための考え方について知りたいという人には、次に紹介する『改訂版 実習日誌の書き方』をおすすめします。
こんな実習生におすすめ
この本は、次のような学生さんにおすすめです。
- 年齢別の実習日誌の例文を見たい人
- 日誌のNG例・OK例を参考に、文章の書き方を学びたい人
- 子どもの発達の特徴や保育者の関わり方を知りたい人
- 指導案の具体例も参考にしたい人
- 実習前の準備や基本的なマナーを確認したい人
特に、「実習日誌の具体例を見ながら、保育実習の基本も学びたい」という人におすすめです。
②『改訂版 実習日誌の書き方』の特徴と感想
良かった点|観察・記録・考察の書き方を詳しく学べる
この本の特に良いと感じたポイントは、次の4つです。
- 実習日誌の様式や基本的な書き方を学べる
- 子ども・保育者・環境を観察する視点がわかる
- 観察した出来事から考察を深める方法を学べる
- 日誌に適した文章表現や専門用語を学べる
1.実習日誌の様式や基本的な書き方を学べる
実習日誌には、さまざまな様式があります。
- 時系列記録タイプ(本書では流れ記録タイプ)
- エピソード記録タイプ
- エピソード記述タイプ
- 活動まとまりタイプ
このほかに、指導案を踏まえた記録の書き方も載っています。
この本では、それぞれの様式の特徴や、書くときのポイントが紹介されています。
実習先によって日誌の様式が異なることもあるため、基本的な書き方を知っておくことは役立つと思います。
ただし、実際に日誌を書く際は、養成校や実習先の指示を優先しましょう。
2.子ども・保育者・環境を観察する視点がわかる
この本では、実習中に何を観察すればよいのかについても詳しく解説されています。
観察するのは、子どもの姿だけではありません。
例えば、次のような視点があります。
- 子どもの姿:どのような遊びや生活をしているか
- 保育者の援助:どのような言葉かけや関わりをしているか
- 環境構成:玩具や家具がどのように配置されているか
こうした視点を知っておくことで、実習中に注目するポイントがわかりやすくなります。
私自身、学生時代は「日誌に何を書こう?」と悩むことが多かったのですが、今振り返ると「何を観察すればよいのか」が十分にわかっていなかったのだと思います。
実習中の観察に不安がある人には、参考になる内容だと感じました。
3.観察した出来事から考察を深める方法を学べる
私が特に良いと思ったのは、観察した出来事から考察を深めていくための考え方が紹介されていることです。
実習日誌を書くとき、子どもの姿を記録することはできても、考察になると手が止まってしまうことがあります。
例えば、食事中に眠そうにしている子どもがいたとします。
「食事中に眠そうにしていた」という事実だけでは、その理由まではわかりません。
- 前日の睡眠はどうだったのだろう?
- 午前中はどのような活動をしていたのだろう?
- 体調に変化はなかったのだろうか?
このように、ほかの情報にも目を向けることで、子どもの姿をより丁寧に理解しようとすることができます。
もちろん、観察しただけですべての理由がわかるわけではありません。
それでも、一つの出来事についてさまざまな可能性を考えることは、子どもへの理解を深めるうえで大切な視点だと思います。
4.日誌に適した文章表現や専門用語を学べる
この本では、実習日誌を書く際の文章表現についても詳しく紹介されています。
例えば、
- 話し言葉と書き言葉の違い
- 誤字や脱字などの注意点
- 保育現場で使う専門用語
- 日誌に適した文章表現
などです。
実習日誌では、自分が観察したことや考えたことを、読み手にわかりやすく伝える必要があります。
文章を書くことが苦手な人にとっても、基本的な表現や用語を確認できるのは役立つと思います。
日誌の書き方だけでなく、保育者としてのものの見方や考え方を学ぶ参考書としても良いと感じました。
気になった点|文字が多く、読むのに時間がかかる
一方で、気になったのは文章量の多さです。
内容が詳しく説明されている分、文字が多く、読み進めるのに時間がかかります。
特に、実習が始まってからは、毎日の日誌や翌日の準備などで忙しくなることもあると思います。
疲れて帰宅したあとに、必要な情報をすぐに探したい人にとっては、少し負担に感じるかもしれません。
ただし、これは必ずしも悪いことではありません。
文章量が多いからこそ、実習日誌を書くための考え方を詳しく学べるという良さもあります。
そのため、次のような使い方がおすすめです。
- 実習が始まる前に、気になる部分を読んでおく
- 実習中は、困ったときに必要な箇所を読み返す
- 実習後に、学びを振り返りながら活用する
最初から最後まで、すべてを覚えようとする必要はありません。
こんな実習生におすすめ
この本は、次のような学生さんにおすすめです。
- 実習中に何を観察すればよいかわからない人
- 考察を書くのが苦手な人
- 日誌の基本的な書き方を学びたい人
- 保育者の援助や環境構成について理解を深めたい人
- 施設実習についても調べたい人
特に、「日誌に何を書けばよいのかわからない」「子どもの姿は書けるけれど、考察が思いつかない」という人には、参考になる内容が多いと感じました。
保育実習日誌の観察するポイントまとめた記事も書いています。参考にしてください▼
保育実習日誌の本はどっちがおすすめ?
どちらの本にも日誌の具体例が豊富に掲載されていますが、それぞれに特徴があります。
- ①『0~5歳児年齢別 実習の日誌と指導案 完全サポート』:年齢別の日誌例や指導案、実習前の準備など、保育実習の基本を幅広く学びたい人
- ②『改訂版 実習日誌の書き方』:観察する視点や考察の深め方、日誌の文章表現などを詳しく学びたい人
自分がどんなことに困っているのか、何を学びたいのかによって選ぶと良いと思います。
注意|施設実習については掲載内容を確認しよう
施設実習については、どちらの本にも日誌の参考になる内容が掲載されています。
①には、次の3つの施設の日誌例があります。
- 乳児院
- 児童養護施設
- 障害児入所施設
一方、②では、施設の種類や特徴に応じて項目が分けられています。
目次には、次の項目が掲載されています。
- 乳児院
- 児童養護施設
- 障害児入所施設(福祉型・医療型)
- 障害児入所施設(主に知的障害のある児童)
- 障害児入所施設(主に肢体不自由のある児童)
- 障害児入所施設(主に重症心身障害児)
- 障害児支援施設
※上記は②の書籍の目次に掲載されている項目です。現在の制度上の施設分類をそのまま示したものではありません。
施設実習では、実習先によって支援の内容や学ぶことが異なります。
自分が実習する施設について、どのような内容が掲載されているのかを確認して選ぶと良いでしょう。
また、実習日誌の様式や書き方については、養成校や実習先の指導を優先してください。
保育実習日誌の参考書は買った方がいい?
ここまでおすすめの本を紹介してきましたが、そもそも実習日誌の参考書は購入した方がよいのでしょうか。
私の考えとしては、必ずしも購入する必要はないけれど、不安な部分を補うために活用するのはおすすめです。
大学や養成校の資料だけでも大丈夫?
私は学生時代、実習日誌の参考書を購入せず、学校で習った書き方や配布された例文を参考にしていました。
そのため、参考書を買わなければ実習日誌が書けない、というわけではありません。
ただ、今振り返ると、参考書があれば書き方のヒントを得られたのではないかと思います。
養成校の資料で十分に理解できている人は、無理に購入する必要はないでしょう。
一方で、日誌を書くことに不安がある人は、自分の苦手な部分を補える本を探してみるのも一つの方法です。
本を購入する前に確認したいこと
参考書を購入する前に、次のことを確認しておくと安心です。
- 養成校で指定されている教材がないか:すでに指定教材がある場合は、まずそちらを確認しましょう。
- 自分が何に困っているのか:例文を見たいのか、観察や考察の書き方を学びたいのかによって、選ぶ本が変わります。
- 実習先の日誌の様式に合っているか:本と実習先で様式が異なる場合があります。
- 発行年や内容が古くないか:中古本を購入する場合は、制度や用語、保育に関する考え方などが現在と異なる可能性もあります。
実習日誌の参考書は、必ずしも何冊もそろえる必要はありません。
まずは養成校の資料を確認し、必要だと感じたら、自分の悩みに合った本を1冊選ぶところから始めても良いと思います。
図書館などで実際に中身を確認できるのであれば、読みやすさや内容を比較してから購入するのもおすすめです。
まとめ|自分の悩みに合った保育実習日誌の本を選ぼう
今回は、保育実習日誌におすすめの本を2冊紹介しました。
『0~5歳児年齢別 実習の日誌と指導案 完全サポート』
『改訂版 実習日誌の書き方』
どちらにも良いところがあり、自分が何を学びたいかによって選ぶ本は変わってくると思います。
また、参考書は必ず購入しなければならないものではありません。
養成校の資料を活用しながら、必要に応じて自分に合った本を選んでみてください。
実習日誌を書くのは、慣れないうちは本当に大変だと思います。
私も学生時代、何を書けばよいのかわからず、何時間もかけて書いていました。
でも、日誌を書くために大切なのは、文章を上手に書くことだけではありません。
子どもの姿や保育者の援助に目を向け、そこから自分なりに考え、学んだことを記録していくことも大切です。
今回紹介した本が、実習日誌に対する不安を少しでも減らすきっかけになればうれしいです。
保育実習日誌の年齢別例文記事も参考にしてください▼




